目次
食虫植物の種類と特徴
食虫植物とは、被子植物の一種で食虫という習性を持つ植物のこと。
虫を捕らえられるように変化した補虫葉と呼ばれる葉を持つのが特徴的です。
見た目もさまざまで、他の植物にない艶やかなタイプから、いかにも食虫植物というような容姿をしたタイプまで幅が広い。
世界に500種類以上も存在すると言われる食虫植物。
しかしながら、マニア間だけで流通しているのではなく、ホームセンターで気軽に購入することも可能な植物です。
この記事では、魅惑の植物の特徴だけでなく、食虫植物を育ててみたい人におすすめの食虫植物をご紹介しています!
日本にも自生している?虫を食べる理由は?
なぜ植物が虫を食べるかといえば成長のために虫を捕食して栄養を補うため。
世界中には約600種類の食虫植物が自生していて、北極や南極、砂漠などの極端な気候の場所以外で確認されています。
日本国内でも約20種類の食虫植物があり、コウシンソウなど日本固有の種も自生。
ここからは養分が少ない場所に自生していることが多い食虫植物が、どのような方法で虫を誘い込み消化吸収するのみていきましょう。
食虫植物の捕食方法と育て方のポイント
食虫植物は、虫を捕食するだけで成長するのではなく、他の植物と同じように光合成と水分だけでも育つことができる植物です。そのため観葉植物のひとつとして選んでみてはいかがでしょう。観葉植物のキャラクターとして食虫という特徴を持っていると考えると、捕食方法が食虫植物の選び方のポイントとみることもできますよね。また見慣れない食虫植物だからこそ、選ぶ時には育て方も気になるところです。食虫植物の育て方、捕食方法の比較から食虫植物選びの参考にしてください。
食虫植物の捕虫方法
落とし穴式
虫を捕らえられるように変化した葉である補虫葉が筒のような形の袋になっているのが特徴です。この捕虫葉の内側から匂いが発せられて、虫がおびき寄せられ補虫されます。補虫葉の底部に消化液が溜まっていて、虫が落ちると消化が始まり栄養を吸収する仕組みです。
補虫葉は筒状なので雨水が入ることも考えられますが、補虫葉の隙間から流れ出るようになっているので問題ありません。また種類によって補虫葉に蓋があるタイプも存在します。
挟み込み式
この補虫葉は、貝のように開いたり閉じたりして挟んで捕食します。虫が入たことを感じ取る感覚毛が補虫葉の内側にあり、それにより補虫葉を閉じる仕組みになっているのです。この補虫葉の消化液は、タンパク質に反応するため閉じ込められ物が虫以外であれば、補虫葉を開いて排出するようになっています。効率よく栄養を得るための優れた仕組みと言えますよね。
粘りつけ式
虫を捕獲するための腺毛がキラキラしているのが特徴の食虫植物です。腺毛は、補虫葉の裏側に生えている細かい毛で、消化酵素を含む粘着液を排出して虫を捕獲します。補虫葉に巻き込まれるように消化吸収される仕組みです。
吸い込み式
この吸い込み式の食虫植物は、水中で生息しているため補虫葉が水中や地中にあります。小型の袋になった補虫葉は、茎や根に位置していて微生物やプランクトンを捕食するのが特徴的です。
もんどり式
他の食虫植物とは異なり、葉の一部を罠として虫を捕食しています。品種によって罠が異なるため、捕食方法にバラエティー豊富なのが特徴的な食虫植物です。
食虫植物の育て方
食虫植物を育てるなら虫を準備しなければと考えるかもしれませんが、光合成のみでも生長していく植物です。養分が少ない土壌での生育の場合に捕食によって養分を補うことができるのが食虫植物ということですね。
日当たりはどれぐらい?水やりはどれぐらい?
基本的に他の植物と同じく、日光が必要なので日当たりの良い場所を心がけましょう。水分も生長に欠かせません。高温多湿の食虫植物も多く、土が乾いていないかなど気をつけてください。
肥料はいる?どんな土が適している?
肥料はなくとも生長可能です。食虫植物ですから気付かない間に虫を捕食していることもあるでしょう。土も特別なものを準備する必要はありませんが、乾燥しにくいながらも水はけがよい土を好みます。
おすすめの食虫植物6選
単なる観葉植物じゃなくインパクトのある食虫植物を育ててみたいけど、どの食虫植物が育てやすいのか、自宅の環境だとどんな食虫植物が適しているのかなど悩んでしまう方もいるかもしれません。ここでは、そんな方におすすめの食虫植物をご紹介します。
初心者に最適な小型種で、育てやすいハエトリグサ
特徴とおすすめしたい人
・原産国が日本の気候に近く育てやすいので初心者向き
・いかにも食虫植物という容姿がインパクトがある
説明
見た目のインパクトがある食虫植物で挟みこみ式の捕食方法。貝のような補虫葉が素早く閉じて捕食します。育てる環境は、日光がたくさん当たる日当たりが良い場所を好み、土は常に湿っている状態が適しています。
日本でも育てやすい、小さな食虫植物ミミカキグサ
特徴とおすすめしたい人
・日本の湿地にも自生していてアジア~オーストラリアが分布地域
・葉ではなく地下茎に補虫器官を持つ食虫植物
説明
わずか1ミリ程度の補虫脳のうと呼ばれる器官で微生物を捕食して栄養を吸収している食虫植物。葉が約6~8ミリ、花が約4ミリという小さな植物で、夏に細長い茎の先に黄色い花を咲かせます。花が咲いた後のがくと実の部分が耳かきに似ていることが名前の由来。
豪華な形状のトラップが魅力的サラセニア
特徴とおすすめしたい人
・ラッパ形状の筒で補虫するインパクトのある食虫植物
・暑さや寒さにも強いので観葉植物・食虫植物初心者でも安心
説明
いかにも食虫植物という容姿が人気で、種類によって筒状の補虫葉の形や色が異なるのが特徴です。補虫葉にある蜜線で虫をおびき寄せて筒に落として捕食します。また補虫葉の内部にある毛が下向きに生えていて、一度入った虫が出られないような仕組みのため補虫能力が高い。捕食シーンが見たい方にはおすすめの食虫植物のひとつですね。
世界中に分布している、スミレに似た花を咲かせるムシトリスミレ
特徴とおすすめしたい人
・鮮やかな花を咲かせる食虫植物
・東アジア、南北アメリカ、ヨーロッパに自生しているが日本原産の物だけムシトリスミレという名前で呼ばれている
説明
スミレによく似た花を持ち世界に分布している多年草の食虫植物。2月から6月にかけて白・赤・紫・黄・ピンク・オレンジなど色とりどりの花を咲かせます。葉の表面の毛にある粘液球で虫を動けなくなった虫を捕食するタイプの食虫植物です。
育てやすく、多様な形状のトラップが存在するウツボカズラ
特とおすすめしたい人
・つる性の植物なので窓際に吊るしてインテリアグリーンとしても楽しめる
・消化液が溜まっているつぼ型の補虫葉で捕食
説明
甘い罠・油断・絡みつく視線といった花言葉がある食虫植物だけあって、捕食シーンをみることができる食虫植物らしい観葉植物です。虫を捕食できなくても、光合成と水があれば育ち、黄色い小さな花を咲かせる食虫植物。
育てやすく、色鮮やかな花が楽しめるモウセンゴケ
特徴とおすすめしたい人
・粘着式の罠を持つ食虫植物
・約200種類以上の種を持つ植物ですがどれも粘液を分泌して捕食するタイプ
説明
粘着式の食虫植物ですが、ただ虫がくっつくだけでなく感覚を持った腺毛が虫を抑え込むように巻き付き、さらに消化吸収するような仕組みになっています。捕食能力が高く栄養をしっかり補えるのは、やせた土地に生えることもできるよう適応した結果といえます。
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