映画 『プリシラ』

【広告・PR】

映画『プリシラ』より
愛はかげろうのように/シャーリーン

(日本語訳)

ヘイ、レディー そこのレディー 人生にうんざり?
子供には背かれて 中身は空っぽの妻の座
密かに抱いてた夢は 夢のまま朽ちていく
せめてあたしの話を聞いて 女と女の話だから

ジョージアへもカリフォルニアへも あらゆる場所を旅したわ
牧師の手を引っ張って 太陽の下で愛も交わした
今は行くあても無く 友達もいない
自由を守り通したから
パラダイスへは行ったけど 本当の自分はみつからない

ヘイ、レディー 待ってレディー あたしの話を聞いて
あなたに聞いてほしいの 何故あたしが独りぽっちなのか
あなたの瞳の中に あたしが映っている
嘘で生きてきた女の戯言に 耳を貸してほしいの

ニースでもギリシャの海でも ヨットでシャンパンを飲んで
モンテカルロの長い夜を楽しんだ 輝く女王のように
王の為に服を脱ぎ 女が見てはならないものも この目で見た

パラダイスへは行ったけど まだ本当の自分は見つからない

翻訳 戸田奈津子

なんか好きなんです、この曲。

この曲は、映画『プリシラ』の冒頭シーンで主人公の一人、ヒューゴ・ウィービング(マトリックスのエージェント・スミス役やロードオブザリングのエルロンド卿役etc)扮するミッチがド派手な衣装を身に纏い、音楽に合わせて口パクで歌っているんです。

映画『プリシラ』は3人のドラッグ・クイーン(女装のゲイ)がプリシラ号というバスに乗り大都会シドニーから、オーストラリア中部、砂漠の真ん中にあるリゾート地でショーをするため3000キロにわたる旅をする中で本当の自分を見つけていくロードムービーです……。

人々との出合い、別れ。ドラッグ・クイーンへの偏見、挫折を、歌、踊り、笑い、涙を通して本当の自分を見つける3人の旅。 様々な思いを胸に目指すは遥か彼方の田舎のホテル。主人公は社会的マイノリティであるオカマさん。都会の空虚な空気の中では泳げても、田舎の保守的な空気の中では泳がせてもらえない様を、哀しくも可笑しく、そして繊細に描いています。

心傷つけられても、あっけらかんと振る舞い(泣く時は一人…)、前向きに生きる彼女たちの強さを見ていると、自分も頑張らなくてはという気になってきます。全編下品のオンパレードですがどこか上品。きっと彼女たちの生き方に品があるからだと思います。元気のないときに見ると、きっと元気が出ますよ。人生の苦い部分を経験した人ほど、彼女たちの姿勢に感じるものがあるのかもしれませんね

冒頭で紹介した曲も映画の影響なのかちっとも悲観的な感じがしなくて、なんか好きなんです。奔放で、豪放な感じがしてそんな所に憧れるのかな。。見た目は男、気持ちは女?!の彼らが女性の気持ちを切々と歌い上げると、それが妙にシックリきて、なんだか可笑しかったです。

今日の音楽
Charlene- I’ve never been to me —–