眠りに入ってから次の瞬間には目が覚めてしまった時のように、気持ちのいい寝起きだった。目覚めると、そこには見たことのない天井と外から聞こえてくるクラクションの音。
「そっか、俺インドに来たんだった。」
そんな風にして目覚めたインドの朝は、小さい時に田舎のおばあちゃんの家の布団で目覚めた時のような感覚にちょっと似ていた。素早く起き上がると、今日から始まるワクワクすることに寝起きの体にも一気に血が巡っていくのが分かる。早々と着替えを済ませ、ロビーに駆け降りると、スタッフの人に朝の挨拶。「グッドモーニング!」また少しテンションが上がります!!
スタッフにロニさんの居場所を尋ねると呼んできてくれるというのでロビーで待つことに。ロビーの開け放たれた扉からは、石畳の狭い路地をインドの人々が歩いて行くのが見える。時々、牛も一緒になってゆっくりとした歩調で道を過ぎていくのも見えた。自分のいる綺麗(とは言い難いが…)ロビーと扉の切り取られた空間から見えるそんなギャップある光景にはおもわず笑ってしまった。
いよいよロニさんとご対面。ロニさんは人当たりの良い笑顔をしたインド人だった。簡単な挨拶の後、独特なイントネーションの日本語でインドでの旅のアドバイスや旅行の予定の話を一通りすると「今日はどうする?」と訪ねてきた。えっ、もう?!急な展開に、まだ何も予定らしい予定を考えていなかったが、とりあえずデリーを観光しに行きたい旨を伝えると、ロニさんはラールキラー城を薦めてくれた。行き方や場所、どんなことに注意した方がいいかを聞いていよいよ出発……出発………出発…………けれど、いざ外に行こうとしたものの、昨日みた夜のインドのイメージが思い出されてなんだか怖くなってしまった。結局、外に出るまでに小一時間ほど、ロビーのソファーで地球の歩き方やゲストハウス備え付けの旅行者手書きの旅本と向き合うことに(笑
そうこうしていても始まらないので意を決して外に飛び出すことに。
1,2,3でゲストハウスのあった路地を抜けてメインバザールまで出ると駅に向かって歩き出した。その途端、「コンニチハ~」「ドコイク?」と気軽に話しかけてくるインド人。(目を見ることもできない…。)さらに続くリキシャや牛といった障害をクリアーしつつ、左右にはレストランやお香、衣類、ネットカフェ、中には何の店なのかわからないような店も並んでいて、とにかくインドは気になるものが多い!けれど足を止めることができない!!ひたすらに歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、メインバザールを抜けて駅の改札までノンストップで歩いていた。も~インド、何が怖いのかはわからないが、とりあえず勢いに負けました!なんて思いをして駅に到着した。
初めて乗るインドの電車。
窓口の女性に片言の英語で行き先を告げるとすぐに金額を言われた。おっ、ちゃんと伝わったじゃんなんて、嬉しさを噛み締めながらお金を渡すと丸いコインが返ってきた。インドはこんなチケットなんだな~なんて繁々とコインを見つめた後は、インド警察が待つ検問(本物の銃を肩に担いでいたからさすがに緊張!)で手荷物検査を受けた後、プラットホームに向かいます。念のため再び受付の女性にどっちのプラットホームか聞くと丁寧に教えてくれました。インド人いい人じゃんなんて思ってました♪
砂利道、野良犬、野良牛、リキシャが所狭しにごったがえすメインバザールとはうって変わって、予想以上に綺麗な作りの駅構内、クッションの無いステンレスの固い座席を除いては居心地も日本の鉄道とあまり変わりませんでした。(椅子が滑るのでちょっと座りにくかったかな。。。) しかし、電車の扉が開くと~そこにはたくさんのインドの人々の姿が…たくさんの視線が自分に向かってきます。インドの人は基本ジッと見てくるので、こちらからも見返すとサッと目をそらします(笑)そんな視線にさらされながら乗り込むのにはちょっと勇気がいりました。
やっと到着したと思って降りた駅。どうやらよくよく駅名を見ると間違えていました。
軽く焦りつつも再びチケットと検問を越えて~電車を乗り継ぎ目的のラールキラーに向かいます。インドの乗り継ぎの駅では変わった光景に遭遇~インドの方々、駅に到着するやいなや~走ったりする人もいるんですが、中には手すりやチェーン等で仕切られている所をお構いなしにくぐるくぐる…みんな目的の場所に向かって一直線に進んで行くんです。
大人も子供も潜っていくその光景はちょっと日本では無かったので面白かった(笑)
どうにか目的の駅に到着。駅を出ると再びごったがえす街中を抜けて、ラールキラーへ。
駅前のごった返した道には看板などが出ているわけではなかったので、どっちに行けばラールキラーに行けるのかがさっぱりわからない。しかたなく数人のインド人に道を聞きました。 すると…3人中1人は違う方向を教えてくれました。(インドの人、とりあえず知らなくても教えてくれようとしてくれます。あくまでもそれは親切なので、怒ったりせずに聞くときは数人の人に聞きましょうby地球の歩き方)
道がわかると再び砂利道、野良犬、野良牛、リキシャが所狭しにごったがえす道を器用にすり抜けて町中を歩く、イスラムのモスクといった変わった形の建物は見ているだけで楽しい気分にさせてくれます。路地では人々が小さな露店を出して果物や野菜を売っていたり、腕時計やベルトといった生活雑貨の露店も見られたりした。その間も、何度となく「コンニチワ~」「ドコイク?「ニホンジン?」と声をかけられる。いつまでも飽きることのない道をラールキラーを目指して歩いて行くとようやくラールキラーが目の前に姿を現した。
目の前には赤砂岩で出来た高い塔、城壁は左右に数十メートル広がり、その姿が目に入ると思わず駈け出している自分がいた♪
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