今だ
そう感じて僕は旅にでた。
さかのぼること数年前、
『アジアンジャパニーズ』の著者である小林紀晴さんも、そんな今を感じて旅に出ていたのだろうか。
写っていたのは、アジアが今よりもずっと混沌としていた時代とその街並み、空気。
その中をカメラを片手に旅した著者の姿と、そこで出逢ったアジアをさすらう日本人のその一瞬の姿と言葉たちだった。
荷物は自分の身体一つと、バックパック一つ。
それだけ。
あるのは世界とその中にいるたった一人の自分、何を思い、何を考えるのか。
そんな共通点に運命を感じていたのか、インドの旅路に何度も読み返していた。
本はたった一人の自分に言葉を、気持ちを投げかけてくれる、旅の友。
この本も、そう思ってインドを一緒に旅した僕のお気に入りの本です。
数十年後、歳をとった自分が再びインドの彼の地に立った時、僕は何を思うんだろう。
今しか出来ない旅がある。
僕にそんな『今』を強烈に感じさせてくれた一冊。
今日の音楽
君がいるから/堀江美都子、こおろぎ’73—–
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