こんなに面白かった「百人一首」 【読書感想】 思わず声に出して読みたくなる本

着物で着飾った男と女

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こんなに面白かった「百人一首」は、声に出して読みたくなる。心の機微に触れて、ハッとする気づきがある本。

百人一首のそれぞれの歌の意味や背景を知りたい人におすすめの一冊です。

この記事では、本を読んで個人的に興味深かった、面白かった歌と簡単な感想を紹介しています。

この本から学べること
  • 研ぎ澄まされた五感から生み出される世界観
  • 心地よいノリとテンポの良さ
  • 情熱的で想いがつまった恋愛する人々の心

「百人一首」の概要

「百人一首」に詠まれているのは、今に通じる人の思い。美しい桜に感動したり、出世できずに嘆いたり、浮気な恋人を恨んだり…。そこに詠み人の“思い”を感じれば、難しい勉強などしなくても、和歌に親しむことができるのだ。本書では、歌の成立背景から詠み人の人となりまで、「百人一首」を味わうためのポイントを紹介。楽しみながら、古典をぐっと身近に感じられる一冊。

引用元:こんなに面白かった「百人一首」 / 吉海直人

百人一首は、飛鳥時代から鎌倉時代初期までの代表的な歌人百人の和歌を一人一首ずつ集めて作られた秀歌撰(しゅうかせん)のこと。

秀歌撰とは「優れた歌を集めたもの」という意味だそうです。

日本の四季や花鳥風月の美しさ男女の出逢いと別れ旅先で観た景色など、幾つかのお題目を五・七・五・七・七の三十一文字の短い言葉に込めて詠います。

五感をフル活用して、詩に込められた歌

第5首の歌 猿丸太夫(さるまるだゆう)

奥山に (おくやまに)
もみぢふみわけ (もみじふみわけ)
なく鹿の (なくしかの)
声聞く時ぞ (こえきくときぞ)
秋はかなしき (あきはかなしき)

奥深い山の中で、一面に散りしいた紅葉をふみわけて鳴いている鹿の声を聞くときは、この秋の寂しさが、いっそう悲しく感じられる。

ケンジントン

はじめは難しくて意味が分からない歌でも、意味を学んで知ってからもう一度読み返す。すると、その読み人の気持ちや聞いていた音や風景が想像できるようになってくる気がして、ゆっくりと染みてくる面白さがあった。

第81首の歌 後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)

ほととぎす (ほととぎす)
鳴きつる方を (なきつるかたを)
ながむれば (ながむれば)ただありあけの (ただありあけの)
月ぞ残れる (つきぞのこれる)

ホトトギスが鳴いたと思って、そちらを眺めると、そこには何もなく、ただ有明の月だけが空に残っているよ。

ケンジントン

耳で聴こえて、次には視線が移って、景色が目に映り込んでくる描写。まるで漫画や映画のような展開で、読み人たちの想像力と心の豊かさに驚かされた。自分は周りで起こっていることにどれだけ気がつけてるかなって思いました。

心地よいテンポに心躍る歌

第3首の歌 柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)

あしびきの (あしびきの)
山鳥の尾の (やまどりのおの)
しだり尾の (しだりおの)
長々し夜を (ながながしよを)
ひとりかもねむ (ひとりかもねむ)

オスの山鳥の、長く垂れ下がった尾のように長い長いこの秋の夜を、私はひとり寂しく寝ることになるのだろうか?

ケンジントン

リズム良く次へ次へと読んでいると、ある時からちょっと口に出して読んでみたくなって、電車内にも関わらず本を読みながらボソボソと小声で呟いてた。

昔も今も変わらない人の心を唄う歌

第85首の歌 俊恵法師(しゅんえほうし)

夜もすがら (よもすがら)
もの思ふころは (ものおもうころは)
明けやらぬ (あけやらぬ)
ねやのひまさへ (ねやのひまさえ)
つれなかりけり (つれなかりけり)

一晩中訪ねてこない恋人のことを思っているこの頃は、夜もなかなか明けず、朝日の差さない寝室の戸の隙間さえつれなく思えます。

ケンジントン

風流とか趣がある平安時代の人たちにも今に生きる自分達と変わらない気持ちを感じられる。僧侶が唄う恋の歌というのも驚きがあった。どんな立場で、どんな状況で、何を大切にして生きていたのか、読み人たちの「生き様」が見えてくるのが面白い。

第50首の歌 藤原義孝(ふじわら の よしたか)

君がため (きみがため)
惜しからざりし (おしからざりし)
命さへ (いのちさへ)
長くもがなと (ながくもがなと)
思ひけるかな (おもひけるかな)

あなたのためなら惜しくはないと思った私の命が、あなたに会った今では、少しでも長くあってほしいと思うようになったのです。

ケンジントン

あぁーわかる!!って思って、恋愛の歌を読むと人柄が見えてきて思わず親近感が湧いてしまう。百人一首って思ってたよりも堅苦しくない内容なんだなって知れたのは新たな発見。

まとめ(自分も歌を創ってみた)

一番驚いたのは実際には景色を見ていないで想像で詠っている作品があったこと。

東北から九州まで、四季折々の日本の景色がたくさん出てくる。

けれど、インターネットもカメラも無い時代に、その場所に行くことも困難で。

それなのに想像力とユーモアを持って実際に観てきたかのように詠んで、聴いた人たちにも感動を与えるって本当にすごい!!

実際に言葉にして表現できるということは、本人たちは眼前に見えて、本当に聴こえているんだと思った。

舞い上がる (まいあがる)
古雅の言の葉 (こがのことのは)
あざやかに (あざやかに)
見聞きし学ぶ (みききしまなぶ)
在りし日のこころ (ありしひのこころ)

最後に、百人一首の面白さを伝える短歌にチャレンジしようと、アレコレと景色を眺めて、周りの音を聴いて、気持ちを伝える言葉やリズム良い言い回しを調べたり考えに考えてたら、、、2時間経ってた。。。考えるのは難しかったけど、とても楽しい時間でした。

ケンジントン

スマホは便利で楽しいけど、スマホばかりいじってたらダメだなって思った。
周囲に目を向けたら自分の周りにも面白いことがたくさん転がっていることに気づかせてくれた本。おすすめです!!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

もし、もっと他の本の内容も知りたいと思ったらぜひ手にとって読んでみてください!

たくさんの漫画本

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